2008年1月30日水曜日

道のイネ調査 花粉飛散距離 道基準の2倍 GM条例見直しも

遺伝子組み換え(GM)作物の交雑防止のために道が行っている花粉飛散距離調査で、イネの花粉が六百メートル離れた場所まで飛散したことが二十八日、分かった。この距離は、栽培間隔に関する国の指針(三十メートル)の二十倍、道基準(三百メートル)の二倍になるため、道は新年度の調査結果を待って基準見直しを検討する。
 同日、札幌で行われた食の安全・安心委員会GM作物交雑等防止部会で報告された。
 調査はGMではないイネや大豆など五品目で昨年度から実施。イネでは、うるち米の栽培場所から六百メートル離れた場所まで百五十メートル間隔でもち米を栽培し、受粉状況を調べた結果、三百メートルで0・023%、六百メートルで0・028%の交雑があった。
 二○○六年施行の道GM条例では、過去の交雑報告に基づき、栽培間隔を三百メートル以上に規制。昨年度の調査では二百三十七メートルの間隔で交雑があったため、本年度は間隔を拡大して実験した。
 道によると、条例施行後、道内では飛散防止措置をした一部研究施設以外でGM作物の栽培は行われていない。○八年度も栽培を行う予定の生産者や研究機関はない。

(北海道新聞より引用)

2008年1月23日水曜日

片岡球子さん死去 日本画壇最長老・札幌出身 103歳

個性的な歴史人物画などで知られる日本画壇の最長老で、文化勲章受章者、日本芸術院会員の片岡球子(かたおか・たまこ)さんが十六日午後九時五十五分、急性心不全のため、神奈川県藤沢市の病院で亡くなっていたことが二十一日、分かった。百三歳。札幌市出身。自宅は藤沢市辻堂東海岸一の一九の三八。葬儀は近親者で済ませた。喪主は弟邦三(くにぞう)さん。
 二○○五年には、百歳記念の大規模な回顧展「現代日本画の巨星」が神奈川県立近代美術館葉山館などで開かれ、葉山での開会式には車いすに乗りながらも元気な姿で現れて、画壇の重鎮の存在感を示した。
 一九○五年(明治三十八年)、札幌の醸造業を営む裕福な家の長女に生まれた。庁立札幌高女(現札幌北高)在学中に画家を志し、東京の女子美術専門学校(現女子美術大)で日本画を学んだ。卒業後は横浜の尋常小学校の教壇に立つ傍ら制作に励んだ。
 三○年(昭和五年)、二十五歳のときに「枇杷(びわ)」が第十七回院展に初入選したが、三十代前半までは「ゲテモノ」と評されるほど個性の強い作風が災いして落選を繰り返し、不遇な時代を過ごした。
 持ち前の負けん気で精進を続け、戦後の四六年、「夏」で院展最高賞の日本美術院賞を受けてからは受賞を重ねた。五二年に院展同人になり、画壇に不動の地位を築いた。
 代表作は、足利尊氏、葛飾北斎ら歴史上の人物の顔を主題に六六年、六十一歳のときに始めた大作「面構(つらがまえ)」シリーズ。深い洞察と時代考証で写実を超え、格調の高い画風で日本画の新しい局面を切り開いた。
 もう一つのライフワークは「富士山」で、六七年に「山(富士山)」を制作以来、四季折々の姿を、大胆、奔放な筆遣いで描き続けた。道内の山を描いた作品には八六年の「羊蹄山の秋色」などがある。また、七十代後半からは裸婦シリーズにも挑み、百歳を過ぎても現役で旺盛な活動を続けた。
 女子美術大や愛知県立芸術大の教授を歴任し後進の指導にも尽力。七六年、勲三等瑞宝章を受章。八二年、日本芸術院会員、八六年、文化功労者に選ばれ、八九年、文化勲章を受章した。
 昨年末に風邪をこじらせ、入院していた。

(北海道新聞より引用)

2008年1月18日金曜日

「カイギュウ」出現 大丸のフロア 太古の札幌の海に 客ら驚嘆

札幌市内のデパートに巨大生物出現-。世界最古のカイギュウ類「サッポロカイギュウ」を紹介する「札幌はむかし海だった!展」(札幌市など主催)が十六日、中央区の大丸札幌店で始まり、買い物客が行き交う一階フロアに、体長七メートルのカイギュウの全身骨格復元模型が展示された。
 サッポロカイギュウは二○○二年に札幌市南区で化石が発見された大型海生哺(ほ)乳類。突然の「出現」に訪れた人々はびっくり。厚別区の会社員小林登美子さん(52)は「こんな大きなものが、札幌で泳いでいたなんて信じられない」と札幌が海の底にあった八百二十万年前の世界に思いをはせていた。
 同店六階では、札幌で見つかったクジラの背骨の化石や、藻岩山がいつできたかなど札幌の歴史を解説するパネルも展示している。
 二十二日までの期間中、毎日午後三時から六階で、市博物館活動センターの学芸員が来場者の質問に答えるワークショップを開催する。

(北海道新聞より引用)

2008年1月13日日曜日

札幌の獣医師 韓国タンカー事故の油除去作業に参加 道内沿岸も備え必要

昨年末、韓国沖で起きたタンカーの原油流出事故で、札幌市の獣医師斎藤聡さん(45)が現地で海鳥救護などの油除去作業に参加、このほど帰国した。サハリン沖の石油・天然ガス開発事業が年内にも通年生産の開始を予定する中、道内沿岸でもタンカー事故が起こる危険性は高まっており、斎藤さんは今回の体験をもとに「対岸のことと考えず、関心を高めてほしい」と訴えている。
 事故は昨年十二月七日、韓国中部の泰安半島沖の黄海で発生。香港籍タンカーの船腹から原油約一万五百キロリットルが流出し、半島沿岸に大量の油が漂着した。
 油流出事故で海鳥などの救護を行う野生動物救護獣医師会(東京)のメンバーの斎藤さんは、十二月二十七日に現地入り。海鳥の保護と油除去作業に加わった。
 斎藤さんによると、海鳥の被害は、幸い生息域への油漂着が避けられたことで軽く済んだが、行政機関の連携不足で現場が混乱することもあったという。斎藤さんは「除去した油の焼却処理をどの自治体が行うか決まらず、せっかく集めた油を入れた容器が暴風雪で倒壊。油が飛散してしまった」と振り返る。
 斎藤さんは、一九九七年の日本海のナホトカ号事故や、二○○二年のスペイン沖プレステージ号事故でも海鳥救護などに従事。米国の野生動物救護団体からノウハウを学び、道内では野生動物リハビリテーター協会の結成に参加。市民対象の講習にも取り組んでいる。
 ○六年には網走管内斜里町沿岸などで、船舶燃料用の油にまみれた海鳥の死骸(しがい)五千羽以上がみつかった。斎藤さんは、「石油を輸入に頼る日本は、事故と常に隣り合わせにある。普段から、行政と市民が情報を共有し、拡散を防ぐ備えが必要」と話している。

(北海道新聞より引用)

2008年1月10日木曜日

北陸銀が美瑛を全国PR 四季の写真やジャガイモを展示

北陸銀行は今年一年かけて上川管内美瑛町を全国に売り込む。一月中旬の札幌を皮切りに富山や東京、大阪、名古屋など全国八カ所の同行本支店ロビーで同町の四季をとらえた写真パネル展を開催。いずれも一カ月程度の期間を予定しており、同行が特定の地域を長期間にわたってPRするのは初めてという。
 取引先の会社役員でアマチュア写真家の嘉部真喜男さん(62)=札幌市=が、美瑛を舞台とする約三千五百枚の写真を撮影していたことを知った札幌支店が、CSR(企業の社会的責任)活動としてロビー展を提案。美瑛町からも「全国でPRしてほしい」と要請され、異例の長期間の写真展開催が決まった。
 名称は「日本で最も美しい村 美瑛展」で、写真パネル約百十枚のほか、ジャガイモなどの特産物や観光ポスターなども展示する。
 観光客の増加も期待され、同支店は「道内と本州の懸け橋になれれば」と話している。

(北海道新聞より引用)

2008年1月6日日曜日

民間交番にNOVA元講師 外国人客でにぎわうニセコ

パウダースノーで外国人スキー客にも人気が高い北海道倶知安町のニセコひらふに、地元観光協会などが民間交番「安全センター」を新設した。経営破たんした英会話学校NOVAの元講師も駐在し、日本の事情に不慣れな外国人客の助っ人役にもなっている。
 この地域はここ数年、オーストラリアや香港などからの観光客が急増。民間交番はスキーシーズンの開始に合わせ、昨年11月下旬に開設した。英国出身のデビッド・ハートさん(30)と2人の日本人スタッフが遺失物の相談に乗ったり、不慣れな観光客にバスの乗り方などを助言している。
 2002年、NOVA講師として来日したハートさんは、札幌や横浜で教えてきたが、07年10月、同社破たんに伴い日本人の妻の両親がいる倶知安町に。知人の紹介で同交番勤務となった。

(北海道新聞より引用)